世界のねじを巻け!

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村上春樹の凄さ

今日は自分の好きな村上春樹さんの凄さについて語っていきたいと思います。

 

 

 

目次

 

 

 

 

 

嫌いな人の意見もわかる

村上春樹さんの作品を嫌いという人の意見に「主人公が気取り過ぎている」というのがありあます。

 これは自分もよく分かります。村上春樹さんの物語の主人公はジャズやクラシックを聴くことが多く、外国人作家の小説を読んだりしています。食べ物や飲み物もお洒落なものが多いです。

爆笑問題の太田さんの批判が面白くて「主人公が気取り過ぎてるんですよ、だってこいつらサンドウィッチ作って食べたりするんですよ」っていうのがありました。サンドウィッチぐらい食べでいい気がしますが(笑)。作って食べるというところがポイントなんでしょうね。無駄な手間暇を楽しんでるというようなスタンスが気取っていると感じるところなんだと思います。

これは致し方ないことだと思います。漫画なんかでも結構ストーリーが面白いと言って薦めてるのに絵が嫌いと言うようなことはあると思います。

読んで嫌いな人は致したないですが、是非読んでみてください。

 

自分の思う村上春樹さんの凄さを挙げて行きたいと思います

 

 

 

村上春樹の凄さ

ストーリー展開の工夫が色々凄い

村上春樹さんの小説のストーリーは東野圭吾さんのような終盤で目から鱗が落ちるようなどんでん返しがいつもあるとは限りません。

 

また、内容自体は失踪した友人・恋人・妻を探しに行くと言うような内容のものが多く、ホットな社会現象を取り上げていると言う訳ではありません。

 

それでも、ストーリーの組み合わせ方表現上の工夫が秀逸で読書者を惹きつけます。

 

 2つの物語パターン

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」や「海辺のカフカ」、「1Q84」などの作品は2人の主人公の物語が平行して交互に進んで行きます。 

これによって一つの物語の主人公がピンチになると、もう一つの物語に切り替わると言うような展開が可能になっています。テレビのCMまたぎや週またぎの様な場面で物語を切り替えることで伏線段階のもう一つの物語を読むモチベーションを上げています。小説全体を通して一定の緊張感が保たれており、どんどん次のページに進みたくなります。

また、一見全く関係ない様な2つの物語がどういう風に関係していくのか自体も読者の興味掻き立てます。

このパターンは大ヒットした映画「君の名は。」でも用いられいるパターンなので物語を面白くする手法としては定着しているのかなとも思います。

 

回想・手紙などのパターン

2つの物語パターンはある程度長めの物語の時に使われがちですが、中編程度長さの物語では物語の途中で回想や長めの手紙などを間に挟むことによって緊張感が高まった状態の物語に緩急を入れています。

 

これは「スプートニクの恋人」や「ノルウェイの森」などで用いられたパターンです。

 

「ねじまき鳥クロニクル」では登場人物の長い長い戦争中のエピソードの回想が挿入されており、一見の、本筋のストーリーとは関係がないのですが後々に繋がりを感じはじめるように構成されています。

 

「ノルウェイの森」での直子の手紙は実際にリアルに手書きの手紙として届いたら相当な枚数でしょうから、現実世界で届いたら狂気を感じるでしょうね(^_^;)

 

村上春樹さんの作品以外でもワンピースとかは特に戦闘シーンの切迫した状況で回想に入ると言うようなことはよくありますよね。

 

スラスラ読める簡潔な文書が凄い

自分の中で良い小説の条件として、何処のページを何処から読み出しても面白いというがあります。

 

村上春樹さんの文書は簡潔でテンポが良く、文書がスラスラ映像に変わります。

 

特徴の一つに爆笑問題の太田さんの批判にもあった様にサンドウィッチを作る過程などを細かく描したりしています。

 

こう言ったストーリーとは直接関係ない描写まで生き生きとして面白いのでどのページも面白い作品になっています。

 

 

リアリティのある物語とファンタジックな物語があり物語の世界観は様々。でも、主人公のキャラクターは大体同じ

村上春樹さんの作品には「ノルウェイの森」に代表されるようなリアリティのある物語と「羊を巡る冒険」に代表されるようなファンタジックな物語があります。

 

そして、アジア地域ではリアリティのある物語が人気であり、西洋地域ではファンタジックな物語が人気であると言われています。

 

ただ自分的にはリアリティのある物語とファンタジックな物語にはそれ程差がないように思います。というのは主人公の抱えている問題は意外と共通しているのかなと思います。ストーリーはそれに付随するものに過ぎません。

 

 

斜に構えた感じだが、結局はポジティブな主人公

主人公たちはみんな、どこか、斜に構えているというか、ネガティブな印象を受けることがあります。

 

デビュー作である「風の歌を聴け」の主人公は動物のどういったところが好きなのかと尋ねられた時「笑わないところ」と答えたりしています。人間同士のコミュニケーションに対しての嫌気みたいなものの表れともとれます。

 

また、「蛍」では主人公は自分が住むことになった寮のカーテンがベージュ色である理由を日焼けが目立たないからだろうと推測したりしています。

 

村上春樹作品の主人公はこのようにどこか斜に構えている現実主義者のような印象を受けます。

 

一方で「生きる」ことに対して凄くポジティブな印象を受ける事もあります。

 

「ノルウェイの森」の主人公はヒロインである直子が自殺して傷つきながらも、他の女の子に告白をしてこの世界で生き続けるという選択をしています。

 

また、「文化的雪かき」という言葉は文章を書くことに対するネガティブさとポジティブさが混在したとても村上春樹的な表現だと思います。

 

文章を書くことは誰でも出来る事であるというネガティブな一面と、でも、誰かがやらなければならないというポジティブな一面の両面を表現しています。

 

斜に構えてネガティブな表現や考え方をする主人公がから発せられるポジティブな言葉には、綺麗ごとばかり言う主人公が発する言葉より何倍も説得力があるのです。

 

こうした主人公たちのセリフや行動から生きる活力を見出すことが出来るの点は大きな魅力だと思います。

 

ユーモアのセンス

デビュー作「風の歌を聴け」には「デレク・ハートフィールド」という架空の作家が登場します。

 

これがストーリーの中だけでなく、あとがきにおいても現実に存在する作家であるかのように扱われているので、当時のファンは本当にいる作家だと勘違いし、図書館の司書の方や本屋の店員さんを困られたそうです。

 

デビュー作でこんな大胆なことをしようと考えるところが凄いですよね(^_^;)

 

 

おわりに

 

以上、自分の思う村上春樹さん凄いところをまとめさせて頂きました。

 

自分的に最初に読むとしたらおすすめの作品は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」です。序盤から終盤までテンポが良く、伏線の回収もしっかりさせているのでモヤモヤ感も少ないかと思います。