【感想・あらすじ】もう一度観る『天空の城ラピュタ』
今週のお題「夏休み」
自分の中では夏休みと言えばジブリなので、ジブリの作品をもう一度観ようと思い『天空の城ラピュタ』を観ました。
感想とあらすじをまとめていきたいと思います。
あらすじ
落下して来たシータをパズーが助け、軍隊と海賊から逃げる。
軍隊につかまった後、シータが呪文を唱える飛行石からラピュタの方向を指す光が出る。
海賊と協力してパズーはシータを救出する。
飛行石の光の指した方向を頼りにラピュタにたどり着く。
ムスカはラピュタの力で地上を支配することを野望していたが、パズーとシータがラピュタを呪文で崩壊させる。
感想
①カリオストロの城と大体同じ展開
パズーをルパンにシータをクラリスに置き換えればストーリーの展開がかなり似ていると思います。
カリオストロの城を書いていた頃には面白い映画を書くノウハウが出来ていたということでしょうね。
②画面上の緊張感を保つことが上手い
「飛行」と「落下」という現象を利用して全体を通して緊張感を保っているように思います。
やはり、「落ちたら死ぬ」という緊張感は凄いと思います。
特に緊張感が高かったシーンを挙げていきたいと思います。
・タイトル前にシータが落下するシーン
・木造の線路の上で、パズーとシータがドーラから逃げる際、線路が次から次へと崩壊していく描写
・火の海になったシータを救出する際、ドーラの顔面に石が落下してきて気絶してパズーが後ろから操縦するシーン
・ラピュタの下の方を木の根をつたって移動するパズーの描写
特に、線路が崩壊していくシーンは線路を崩壊させることで、かなり意識的に緊張感を高めているように思います。
危機感や期待感が高まったところで場面が切り替わるようになっています。
・ドーラ飛行船を襲いシータが落下したところでタイトルに切り替わる
・ロボットが動きだして火の海になったところでパズーの方に切り替える
こういった切り替えによって「おじさん、肉団子二つ入れて!」といった緊張のないシーンでも落下しているシータのことが頭にあるので画面から緊張感がなくなりません。
③ラピュタを見つける話からムスカを倒す話に展開
ストーリー後半ではストーリー前半の目的から少しズレた方向に物語が進んでいくことが大切だ思っています。
『もののけ姫』でもアシタカは自分の病気を治す為に旅に出ていますが、シシ神の怒りを静める物語にすり替わっていきます。
「物語の目的が屈折のしていく現象」はいい物語の条件だと思います。
この現象は『ルパン3世』にはパッケージとして組み込めれています。財宝を盗む話では終わらず、財宝の持ち主がワルで、そいつを倒す話にすり替わっていきます。
④若きムスカの栄光と挫折
この物語の試作のプロットを高畑勲らに見せた時、その時点ではムスカが公開されたものよりもムスカが目立っていたらしく、「これじゃあ、『若きムスカの栄光と挫折』じゃないか!」と言って笑われたらしいです。
公開されたものも結構ムスカが目立っていますが(^_^;)
ムスカの本名はロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。「パロ」(παρ、par) はギリシャ語で「従属」という意味だそうです。シータ側の家が正当な王位継承の家系でムスカの側が分家ということだそうです。
シータの側の家系は飛行石と呪文を継承していたのですが、ムスカの側は文献のみを承継しているようです。
もっとも、ロボットが軍の基地を無茶苦茶にした後、シータが落とした飛行石をムスカが拾って「聖なる光を失わない」と言うと再び光がともるシーンがあって、ムスカの側で受け継いでいた呪文もあるようです。
⑤妙に機転の利くシータとパズー
改めて観るとシータとパズーはかなり賢いなと思いました。それを感じたシーンをまとめてみました。
・パズーが家に海賊が来た時にシータを男装させて逃がそうとする
・列車を切り離し、ブレーキをかけて追ってくる車を妨害するパズー、シャベルを投げて応援するシータ
・飛行石が指した光の方向を正確に覚えているシータ
・海賊船に乗った途端に持ち場について各々の仕事に的確に従事するシータとパズー
・「電話ってこれね、おば様!」の早さ
・本業の海賊よりも早く船の進路が変わったことに気づく
これを考慮して少し疑問に思ったのが、タイトル前の飛行船でシータがムスカをガラスのボトルで殴ったシーンです。あの時点ではシータは飛行石の能力を知らなかったので、ムスカを気絶させたとしても飛行船の上なので逃げることが出来ません。なのでピンチを広げる行動だと思ってしまうのです。少し細かいことですが(^_^;)
⑥巨大化するシータのおっぱい
シータのおっぱいはアバンタイトルの飛行船をドーラ達が襲っているシーンでは殆どないですが、ラピュタにたどり着くシーンでは何故か結構ふっくらします。
ただそれだけです(^_^;)
⑦優しさを感じるシーン
この映画では悪い奴はとことん悪く、良い人はとことん良く描かれています。ここまで善悪がハッキリしているジブリの映画も珍しいかと思います。
優しさを感じるシーン
・「その方が娘が言うこときくかも知れないね」と言わなくてもいい言い訳を口にして結局連れて行ってあげるドーラ
・シータを助けに家を出る時わざわざハトを逃がすパズー
・キタキの巣の卵を守っているロボット
・墓に花をたむけるロボット
・「何をぐずぐずしてるんだい。あの二人は」と言いながら危ない状況でもシータとパズーを待とうとするドーラ
こうしてみるとロボットかなり良い奴ですね(*^_^*)
ムスカの非道さ
・自分の側近も何気に殺すムスカ(何気に軍隊を殺す際にラピュタを操作しているとき、巻き込まれて落下している)
・「見ろ。人がゴミのようだ。」という言わなくてもいいセリフも言うムスカ
・何気にムスカの射的の能力は凄い。適格にシータのおさげを遠距離から撃ち落としている
ムスカの非道さは非道を通り過ぎており、言わなくていいセリフを言う過剰な演技がかえって滑稽になっており、人気が出てますね(*^_^*)
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
『天空城ラピュタ』は特に思い入れの強い作品でした。
改めて観ても、前半の危機感の保ち方、後半のスーリーの発展の仕方ともに凄いなと思いました。
キャラクターの描き方もかなり分かりやすくて良かったです。
今日はこの辺で(^_^)/