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【感想・あらすじ・採点】『羊たちの沈黙』映画

今日は『羊たちの沈黙』のあらすじと感想を書いて行きたいも思います。

 

目次

 

 

 

主な登場人物

レクター博士

殺人鬼で殺した被害者を食べるという異常行動をとる。元精神科医。服役中。

 

クラリス・スターリング

FBIアカデミーの訓練生でレクター博士の助言を得てバッファロー・ビルの事件を追っている

 

バッファロー・ビル

連続殺人鬼で、人の皮を剥いで服を作るという異常な行動をとる

 


あらすじ

・被害者の皮を剥ぎ取るという手口の連続殺人が起きる。犯人はバッファロー・ビルと呼ばれている。

 

・FBIの訓練生であるクラリスは殺人鬼で元精神科医で服役中のレスター博士の発言を手がかりにバッファロー・ビルに迫ろうとする。

 

・上院議員の娘がさらわれ緊迫感が増す。

 

・レスター博士の発言をヒントに最初の被害者の関係者で変身願望があるかもしれない人物をクラリスは探る。

 

・そうこうしているうちにレスター博士は脱走する。

 

・クラリスはバッファロー・ビルの居場所を突き止め、乱闘の末、射殺し、上院議員の娘を救出する。

 

 


感想

①斬新な設定と伝統的なアームチェア・ディテクティブの構造

殺人鬼で元精神科医で服役中の男の協力を得て、事件を解決するという設定は凄く斬新で面白ったと思います。

しかし、構造自体は伝統的なアームチェア・ディテクティブの形であり単純なものであるといえると思います。アームチェア・ディテクティブとは事件現場に行かず、捜査機関や依頼人の発言などだけをもとに事件を解決するというジャンルです。探偵(ディテクティブ)が椅子(アームチェア)に座ったまま事件を解決するという訳です。

アガサクリスティーの作品にも幾つか書かれており、伝統的な構造です。福山雅治さん主演のガリレオシリーズもそうですし、ビブリア古書堂の事件手帖もアームチェア・ディテクティブの形です。

レクター博士とクラリスが初めて会ったシーンでは、レクター博士は持ち物や身分証明書から次々にクラリスの過去を言い当てます。これもシャーロックホームズがワトソンに初めて会ったシーンと似ていて伝統的な探偵もののテンプレートを引き継いでいるといえます。

このように構造自体はかなり伝統的なものなのですが、レクター博士の人物設定がかなり独特な為にかなり斬新な作品に仕上がっています。伝統的な構造の話でも人物設定を変えるだけで斬新な作品になりえるという事を学べたので、この作品は自分にとってかなり勉強になった作品になりました。

 

また、探偵を服役中としたことで途中で脱走するという盛り上がり展開も用意できたのは大きかったと思います。最初から脱走しそうな空気はプンプンしてましたが(^_^;)

 

②普通の探偵もの違うところ。そして、ちょっと「ふわふわ」してる

普通の探偵ものは犯人や容疑者の目星は大体ついていて、犯人がトリックを使っているため一人に特定できていない状況を探偵が推理でトリックを見破って犯人を追い詰めるというのが一般的な流れかと思います。

この作品はレスター博士とクラリスは犯人の目星が全くついていない状況であっています。そんな「ふわふわ」した状況であっています。

そして、後半、レスター博士にみんな「バッファロー・ビルの本名を教えて!」とすがりますが、レクター博士は似たような行動をとっていた男を知っているにとどまり(しかも、蛾と蝶で微妙に違っていた)、本当にそいつが犯人はどうかは分かりません。この点でも、かなり「ふわふわ」しています。

しかも結構な時間をクラリスの過去のトラウマの分析にあてられており、それがどう解決に繋がっているのかも少し分かりにくいです。その点でも「ふわふわ」しています。

この「ふわふわ」感が自分的にこの映画になかなか入っていけない要因だったのかもしれません。

 

③毒を以て毒を制すリアリティ

毒を以て毒を制するというのは無性にリアリティが出ます。仮面ライダーも敵であるショッカーに改造された人間、エヴァンゲリオンも敵である使徒を改造して操縦している。最近では進撃の巨人も巨人の力を利用して巨人と戦っています。

この作品でも殺人鬼を捕まえる為に殺人鬼で元精神科医の力を借りています。殺人鬼の考えることを殺人鬼が考えるという設定は単に頭が良い奴が考えているというものより説得力があるといえると思います。この説得力がこのシリーズが人気である一つの要因だと思います。

 

④毒を以て毒を制される伏線回収

レクター博士が逃走するシーンで警官の顔の皮を剥ぎ、自分の顔の上に被せて変装するというシーンが面白かったです。

皮を剥いで服を作るというはレクター博士が今回捜査に付き合わされたバッファロー・ビルの手口です。

捜査に付き合わされた事件とちょっと似たような手口で逆に逃走されているというのが面白いです。

レクター博士が事件に着想を得たということなのかは分かりませんが伏線の回収として十分に面白かったと思います。

 


採点


10個の項目ごとに〇は1点、△は0.5点、✕は0点で採点していき、最後に合計します。


①時代・場所・世界観に魅力があるか? ・・・〇

殺人鬼で元精神科医の名探偵と言う設定は斬新なもので魅力があると思います。

 

②序盤からストリーの方向性は明確か? ・・・〇

バッファロー・ビルを捕まえるという点でストーリーの方向性は明確だったと思います。


③序盤において視聴者を引き付けるだけの危機感・謎があるか? ・・・△ 

バッファロー・ビルが行っている連続殺人は非常に凶悪なものなのです。

しかし、国会議員の娘が連れ去られるまでは、事件が起きたあとでその証拠の取り調べやレクターとクラリスの会話のみで進んでいっており、前半戦に少し画に迫力がなかったように思います。

 

④ストーリーが巧みに二転三転してるか? ・・・△

基本的にストーリーはバッファロー・ビルを逮捕するという一つの目的に向かって進んでいってます。その目的に関しては発展や変化はありません。その点においてはストーリーに二転三転は無いといえます。

バッファロー・ビルの件とは別にレクターの脱走という事件が後半のクライマックスになっているのでその点を考えて△としたいと思います。

 

⑤伏線は回収されているか? ・・・〇

レクター博士の発言からバッファロー・ビルに近づいて行く感じや、レクター博士が警官の皮を剥いで変装しているところは伏線の回収として面白かったと思います。


⑥結末に説得力はあるか?  ・・・✕

レクター博士のヒントを元に犯人を追い詰めたのですが、最初の犠牲者の関係人物をしっかり捜査するという超基本的なことを捜査機関はしていなかったのだろうという疑問が残りました。しかも、その犠牲者だけ重りをつけるという特別な措置をしてる訳ですから(^_^;)

また、全体を通してFBIはレクター博士の発言に頼り切って捜査をしていますがその根拠が薄弱な気がしました。8年も牢獄にいるのですから、記憶だって薄れているでしょうし。


⑦結末に意外性はあるか?  ・・・△ 

最後の見えないバッファロー・ビルを返り討ちにしたシーンは見ごたえがありました。

また、警官の皮を剥いでお面にして脱走したレクター博士の手口もインパクトがありました。

しかし、最初の被害者の関係者をよく調べるということだけで犯人を追っていた点や脱走と言う流れは当初から脱走しそうなオーラ凄い出ていたことから△にしたいと思います。

 

 


⑧個々のキャラクターやキャラクター同士の関係性に魅力があるか? ・・・〇

レクター博士とクラリスのやり取りはかなり見ごたえがあったと思います。

普通の探偵ものホームズとワトソンと違って、クラリスはヒントを貰うのにかなりじらされたり、トラウマを話したり、嘘の条件を提示したりして関係性の面白さはかなりあったと思います。

 

⑨登場人物に心の成長はあるか? ・・・△

クラリスはれレクター博士の助言によって自分のトラウマと向き合うことや、犯人を捕まえるという偉業を成し遂げます。

しかし、具体的な教訓は何かというと自分は抜き出せなかったので△としたいと思います。

抽象的なところで言うと「本質を見極め犯人を追い詰める技術」と言ったところでしょうか(^_^;)


⑩個人的にこの作品が好きか? ・・・△

設定が凄く面白かったと思います。

レクター博士の発言に頼りきるFBIと自分との温度差をマイナスして△としたいと思います。

 

計7点


おわりに
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

この作品はホラー映画であるにもかかわらず、アカデミー賞を取るという伝説残している作品だけあって凄く面白かったです!

 

続編もあるようなので是非見てみたいと思います。


今日はこの辺で(^-^)/