【感想・あらすじ】『理由』(宮部みゆき)
今日は宮部みゆきさんの『理由』のあらすじと感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
荒川区北千住の超高層マンションの25階の一室で4人の遺体が見つかる。うち1人は転落死。殺された4人は住民ではなく、しかも血の繋がらない赤の他人同士。
↓
4人は占有屋でマンションの競売を妨害するために住んでいた。
↓
3人を殺害したのは転落死した八代という男。
恋人・綾子と赤ん坊を庇い、事件の一部始終を知る買受人・石田直澄が逃亡していたため事件解決まで時間がかかった。
感想
①実写化に弱い印象
図書館に勤務してる友達によると、村上春樹、東野圭吾、宮部みゆきの新刊が出たとき時は予約が殺到して数か月待ちになったりするそうです。
ところが、実写化した宮部みゆきさんの作品のレビューを見ると酷評しているものが多いように思います。
それは予告編で本格推理ものであるかのような煽り、ラストにどんでん返しがあるかのような煽りをしているにも関わらず、そういったものがないからではないかと思います。
本作も占有屋という掴みの部分は非常に面白く引き込んれるのですがその後、話が二転三転するのかと思いきや意外とすんなり終わってしまったような印象があります。
宮部みゆきさんは当時の時代背景や人間模様などに重きを置いており、それを実写化するときに予告編などでどんでん返しがあるかのような扱われかたをされる傾向にあるような気がします。それを期待すると確実にガッカリします。
②買受人・石田直澄が逃亡した意味
綾子と赤ん坊を庇うため逃走したといういうふうに説明されていたがこれが釈然としなかったです。
①綾子は死亡した八代と最後に連絡を取っていた訳であり、遅かれ早かれ疑いがかかる立場にある。しかも、綾子は防犯カメラに写っている。何時まで何処まで逃げれば庇いきれたことになるのかも不明。
②石田にも家族がいてそれをほったらかしにしている。
③事件当日初めて会った綾子と赤ん坊にそこまで感情移入する意味が分からない。
③綾子が赤ん坊を事件現場に連れていっていたこと
嫌な予感がして事件現場に向かっているにも関わらず、赤ん坊を連れていっているのが違和感がありました。
採点
10個の項目ごとに〇は1点、△は0.5点、✕は0点で採点していき、最後に合計します。
①時代・場所・世界観に魅力があるか?◯
②序盤からストリーの方向性は明確か? ◯
③序盤において視聴者を引き付けるだけの危機感・謎があるか? ◯
④ストーリーが巧みに二転三転してるか? ✖️
⑤伏線は回収されているか?
⑥結末に説得力はあるか? △
⑦結末に意外性はあるか? ✖️
⑧個々のキャラクターやキャラクター同士の関係性に魅力があるか?△
⑨登場人物に心の成長はあるか? △
⑩個人的にこの作品が好きか?✖️
計4.5点
おわりに
原作と実写を比べてみると、原作では占有屋というキーワードがでるのがストーリーが結構進んでからわかることで「何故、そもそも血縁関係のない4人が高級マンションの一室で共同生活をしていたのか」という部分がミステリーになっていたのですが、実写では割と早く占有屋というキーワードがでて話が一本道になるのが早かったような気がしました。
原作の段階でどんでん返しはそんなに大きくなかったのでそもそも実写化には向いていなかったのかも。
今日はこの辺で (^_^)/