【感想・あらすじ・採点】『不能犯』映画
今日は『不能犯』のあらすじと感想を書いて行きたいも思います。
目次
主な登場人物
宇相吹正
殺人の代行をする。黒いスーツを着ている。マインドコントロールを使う。
多田友子
主人公の警察官
百々瀬麻雄
多田と組んでいる新人刑事
川端タケル
昔、多田に逮捕された不良少年だったが更生し、立派な板前となっていた
あらすじ
宇相吹正は殺人の代行屋で無償で殺人を請け負っている。
その方法はマインドコントロールで自ら死に追いやられて行くというものだった。
更に殺人を依頼したものは後に真実を知らされ、後悔して死んでいく。
これを何回か繰り返しているうちに主人公である多田にはマインドコントロールが効かないことがわかった。
多田が以前逮捕し更正させた男、川端は板前として立派にやっていたが、実は連続爆弾犯だった。
多田は川端の反抗を阻止した。
川端は宇相吹正に殺された。
宇相吹は生き延びた。
感想
①松坂桃李さんが滅茶苦茶格好いい
全体を通して松坂桃李さんの中二病的な設定が凄く格好いいです。
この点はそれだけです(^_^;)
②現代的な笑うセールスマン
基本的に話のパターンとしてはこんな感じです。
松坂桃李に殺人を依頼する者が現れる
↓
それを松坂桃李が実行する
↓
それが終わった後に真実を知らせる
↓
後悔して依頼した人も絶望して死ぬ
このような感じで笑うセールスマンの枠組みと結構似てる訳です。これを超える部分を描けなければパロディーとしては失敗かなと思います。
何個か同じようなパターンの話があったのですが一個印象的な話がありました。
新婚夫婦的な夫婦がいて夫の方が隣のオッサンがどうも自分の妻に気があるのではないかと思ったいたら、ある日、そのオッサンに妻が犯される
↓
夫は松坂桃李にオッサンの殺人を依頼し、松坂桃李はオッサンを殺す
↓
夫が早めに帰宅すると妻は麻薬を三人くらいでやっていた。
(隣のオッサンは妻を犯したのではなく麻薬をやめるよう注意しただけだったのだ)
↓
夫は妻とそこにいた連中を撲殺し、妻は夫を刺殺する
このエピソードの救いの無さと、実は他の男とやっていたみたいな展開を予想していたのにもっと闇が深かったことと、オッサンの犬死具合が結構印象的でした。
大筋のストーリーには殆ど影響ない話の一つだったのですが(^_^;)
③確かに、行きつけの店の板前にしておくにはイケメン過ぎる
邦画の悪いところが出た気がします。
最初の方で登場する沢尻エリカが昔、逮捕し更正させたという板前がいるのですがこれが伊勢谷友介に似たかなりのイケメンなのです。これが連日ニュースで話題になっていた連続爆弾犯の犯人でこれがクライマックスなのですが、行きつけの店の板前にしてはかなりイケメンだったので後に何等かの重要な役をすることになると思った人は多いのではないかと思います。
イケメン度合いで役どころの重要性が序盤で分かってしまうのは邦画の悪いところだと思います。
④沢尻エリカ「私は希望であんたを殺す!」←なんのこっちゃ(笑)
これは正直やってしまったなと思いました。子供向けの特撮やアニメでも最終回でももっと気の利いた事を言うのではないかと思います。
採点
10個の項目ごとに〇は1点、△は0.5点、✕は0点で採点していき、最後に合計します。
①時代・場所・世界観に魅力があるか? ・・・△
眼を見ただけでマインドコントールにかかてしまい死んでしまうという設定はかっこいいのですが、デスノートや反逆のルルーシュに少し似ている気がしました。
また感想でも書いた通り話の展開が全体的に笑うセールスマンに似てる気がしたので減点で△としたいと思います。
②序盤からストリーの方向性は明確か? ・・・〇
松坂桃李をどのように追い込むかという点で視点は分かりやすかったと思いました。もっとも、追い込まれるに至りませんでしたが(^_^;)
③序盤において視聴者を引き付けるだけの危機感・謎があるか? ・・・〇
次々に緊張感のある画が展開されていたので〇でいいと思います。
④ストーリーが巧みに二転三転してるか? ・・・✕
基本的には同じようなことを数回繰り返しているだけなので、✕でいいと思います。
⑤伏線は回収されているか? ・・・△
最初の方で殺された人の殺人を依頼したのが、ラストで敵になる人だったということで一応最初の設定を活かすようにできていたと思います。
ただ、百々瀬の事を最初は「新人」と呼んでいたのが「百々瀬巡査長」と最後の方で呼んでいて如何にも伏線を回収してやったというような空気を出していますが百々瀬はたまたま店で爆風に巻き込まれただけであって褒められるべき事をしてはいないと思うのです。ちょっと、その点が気に入らないので△としたいと思います。
⑥結末に説得力はあるか? ・・・✕
主人公の沢尻エリカには松坂桃李のマインドコントールが効かないのですが、それが結末に殆ど関係なかったように思います。それが結構気になりました。
それと最後のシーンが松坂桃李は人の心の闇そのものだからいなくならないみたいなオチが子供向けのヒーローの最終回のようなエンディングなような気がしました。大人に見せるものとしての説得力はないと思います。
⑦結末に意外性はあるか? ・・・△
松坂桃李は捕まらず、自分としてはどうやって捕まえるのかを楽しみにしていたので、ある意味意外ではあったのですが、期待を下回ってるともいえるので△にしたいと思います。
⑧個々のキャラクターやキャラクター同士の関係性に魅力があるか? ・・・△
一個一個のドラマとしては結構面白い物が多かったような気がしていて、人間関係もそれぞれに面白かったです。
しかし、肝心の松坂桃李VS沢尻エリカの関係があまり面白くないというか両者とも行動のモチベーションがハッキリしないし、前述の通り、沢尻エリカにマインドコントールが効かないという設定が殆ど結末に影響がないのがとても気になったので△にしたいと思います。
⑨登場人物に心の成長はあるか? ・・・✕
松坂側に何も心の成長はないのは当然ですが、沢尻側にも心の成長は無かったように思います。沢尻も当初から完全な精神をもっており、成長の余地はありません。
また、教訓を得て成長すべき人間は大体死んでいます。
観客側に教訓があるとも思えるのですが、「人の心の闇に気を付ける」みたいなフワッとした自分が嫌いな感じのメッセージなので✕にします。
⑩個人的にこの作品が好きか? ・・・✕
松坂桃李さんは格好良かったのですが、最後の「私は希望であんたを殺す」を代表されようになんか無性に「寒い」シーンが多かったので✕にしたいと思います。
計4点
おわりに
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
兎に角、松坂桃李さんが格好良く、どのようにして追い込まれて行くのか期待が持てると思います。是非続編があれば見てみたいと思います。
今日はこの辺で(^-^)/