【感想・あらすじ・採点】映画『ヘルタースケルター』
今日は『へルタースケルター』のあらすじと感想を書いて行きたいも思います。
目次
主な登場人物
りりこ
アイドル界のトップにいるが全身整形をした過去がある
麻田
りりこが受けた美容整形手術は違法なもの(胎児の売買など)であり、それを追っている検事。
羽田
りりこのマネージャー。兎に角、りりこに振り回される。
ひろこ
りりこの芸能事務所の社長。
こずえ
りりこの事務所に入って来た期待の新人。
あらすじ
・りりこはアイドル界のトップにいるが、その美貌は全身整形によるものであり、その崩壊と仕事のストレスからりりこは精神的に追い込まれていた。
・期待新人、こずえが現われさらにりりこは追い込まれる。
・付き人の内部告発により、りりこの全身整形の事実が世間に知れ渡る。
・りりこは記者会見で自身の片目を突き刺し、芸能界から姿を消す。
・数年後、りりこの存在は伝説となり、違法手術をしていた美容整形外科と被害者の裁判はまだ続いていた。
・りりこは地下の見世物のバーにおり、芸能活動を続けるこずえと再会する
感想
①男性視聴者には沢尻のおっぱいという救いがある(*^^*)
この映画のストーリーは全身整形で上り詰めたアイドルにマネージャー一同が兎に角振り回され、最後に化けの皮が剥がれるという極めて単純ものであると言えると思います。しかも、マネージャーが振り回されるだけのシーンが1時間半続くのです。冒頭の30分くらいで十分なのですが(^_^;)
救いのない映画にも思えますが、沢尻エリカのおっぱいと言う救いがあります。
専門家の意見によれば満開から少し過ぎたくらいの時期のおっぱいであり、こういった映画で披露するには一番いい時期だったとのことです。
一人の女性が精神的に追い込まれて行く様子を描くという点では、映画『ブラックスワン』にも共通しています。『ブラックスワン』はもっと役に没頭するという、文学的・芸術的な目的の為に追い込まれて行きます。
②所々挟まれるインタビューは殆ど重要ではないのが意外だった
ストーリー前半から、何かの事件が起きた後の取り調べかインタビューのような映像がちょいちょい挟まれています。
どんでん返しのヒントになるよう重要なことを言っているのかと思って注意して聴いていたのですが、一向にこちらの想像以上のことを喋りません。
ただ、こずえ(水原希子)が無傷で取り調べを受けていることから、こずえの顔面を傷つけることは出来なったというストーリーは予測できるようになっているという効果はあったと思います。
③登場人物がテーマやメッセージを兎に角良く喋る映画
本当にこの映画の登場人物はテーマやメッセージを良く喋るなというのは印象的でした。かなり説教臭い映画だったという印象です。
特に印象的だったのは、こずえ(水原希子)が刃物を向けられているにも関わらず、自分は欲望の化身でしかなく代わりの利く存在なのだから好きに攻撃してもいいと言うような趣旨の発言をしたシーンは印象的でした。
命危ないのにそんなポエムを語っている場合でしょうか?
沢尻エリカさんが鏡に向かって「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰?」と言っているシーンは結構見てられなかったです。やはり、漫画ではアリなことでも実写だと気持ち悪いことは結構ありますね。
検察の二人もかなりテーマやメッセージをどんどん語ります。
④20~30分短ければもっと見やすい映画だったと思います。個人的には
この映画は、整形手術による後遺症で顔面が崩壊する事の恐怖により精神的に追い込まれマネージャーに八つ当たりをするという冒頭の30分のパターンを1時間半くらい繰り返し最後のオチに30分くらいを使うというような構成になっています。
やはり、同じことが一時間半も続くと辛かったです。
沢尻エリカさんが泣き叫ぶシーンを20~30分削って貰えればもっと見やすかったです。
こういった事を言うと怒られるかも知れないのですが、基本的に映画はストーリー面白ければいいと思っているので、役者さんの演技力とかにはあんまり興味がないのです。
⑤目を突くというラストは何故、自殺よりも重たいのだろう?
主人公が自分の眼を突くことがラストシーンになっている物語は、本作の他に谷崎潤一郎の『春琴抄』などがあります。
自殺するラストより重たく感じます。
「何故そこまでしたんだろう?」という主人公の心理を深く考えさせられる効果があるように思います。
自殺の場合ですと結局「生きるのが辛かったから」という点に最後は集約されてしまうのでそれ以上考える余地が少ないです。
⑥あるデスノート的なジレンマストーリー先駆者?
本作は弱い主人公の成長ではなく、美貌という強い力を手にしたはずの主人公が思った以上にうまくいかないことのスリルやジレンマを描いた作品だと言えると思います。
こういった形のストーリーの後輩には『デスノート』や『コードギアス』などがあり、先輩には『ドラえもん』がいるのではないかと思います。
この映画の原作の漫画が刊行されたのは、1996年です。この物語では、主人公は一人のライバルの出現にやきもきしていますが、その10年後には一つのグループだけでも何十人もいるような時代がやってくる訳です。
そんなこと作者のかたは予想していなかったでしょうね(^_^;)
アイドルの生き残りはより大変な時代になりました。
⑦そこはやっぱり、ビートルズのヘルタースケルターが聴きたい
エンディングはビートルズのヘルタースケルターであって欲しかったですね。ビートルズのファンとしてはやっぱり。
採点
10個の項目ごとに〇は1点、△は0.5点、✕は0点で採点していき、最後に合計します。
①時代・場所・世界観に魅力があるか? ・・・〇
整形手術の崩壊という題材は面白かったと思います。
②序盤から主人公たちへの課題は明確か? ・・・△
主人公は課題に対処しておらず、運命に対して文句を言っているような構成です。
検察側に違法手術をしている病院を追い込むという課題があるので△とします。
③序盤において視聴者を引き付けるだけの危機感・謎があるか? ・・・〇
アイドルの顔面の崩壊というは危機感があると思います。
④ストーリー後半で主人公たちへの課題の変更・追加はあるか? ・・・✕
特にありません。
⑤伏線は回収されているか? ・・・✕
特にありません。
⑥結末に説得力はあるか? ・・・△
目を突くというラストシーンには結構説得力があると思います。あの状況でリリカが「忘れされない存在になる」という目的を達成する為には最善の選択だと思うからです。
ただ、そこに至るまでリアリティを欠くというか違和感を感じたシーンがあります。
こずえの顔面を切り裂きに羽田が向かうシーンなのですが、羽田が全く顔を隠していないことやこずえが命の危機なのに訳の分からないポエムを語り始めて逃げようとしないことなどに凄く違和感がありました。
検察の人間がリリカにリリカの整形前の過去の資料を渡して内部告発によって世間に知れ渡ったことに対してしたり顔なことにも違和感がありました。普通に破棄されるかもっと厳重に保管される可能性の方が高いでしょう。そこまでの情報を掴んでいるなら、病院を責める為やり方としてはかなり迂遠だと思います。
⑦結末に意外性はあるか? ・・・〇
正直、どっかで主人公が自殺すると思っていたので、目を突くという結末はかなり意外でした。
ただ、病院やメイクさんや羽田、多田、検察との関係はもっと込み合ってゴタゴタする事を期待していたのですが特に何もなく終わったのは期待外れでした。
⑧個々のキャラクターやキャラクター同士の関係性に魅力があるか? ・・・△
全体的に説教臭いキャラクターが多くあまり好感がもてなかったのですが、沢尻エリカのおっぱいがあったので△はあると思います。
⑨登場人物に心の成長はあるか? ・・・✕
成長というより、己の主張を貫き通したという感じはありました。
⑩総合的に面白かったか? ・・・✕
何というか、後味の悪い映画でした。
計4.5点
おわりに
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
今日はこの辺で(^-^)/