【感想・あらすじ・採点】『予告犯』映画
今日は『予告犯』のあらすじと感想を書いて行きたいも思います。
目次
主な登場人物
奥田宏明(別名・ゲイツ)
IT企業で派遣社員をしていた。主犯格。
葛西智彦(別名・カンサイ)
関西弁でミュージシャンを目指していた犯行グループの一員
寺原慎一(別名・メタボ)
中年太りの犯行グループの一員
木村浩一(別名・ノビタ)
眼鏡をかけ、引きこもりをしていた犯行グループの一員
ネルソン・カトー・リカルテ(ヒョロ)
父親を捜しに日本に来ていたが、不法投棄の現場で病死した
吉野絵里香
エリートの刑事
あらすじ
・動画投稿サイトに犯行予告をして犯罪を遂行する犯行グループが現れる。
・新聞紙を頭にかぶって犯行予告をするので「シンブンシ」と呼ばれるようになる。
・犯行グループの四人は日雇いの不法投棄業者の現場で知り合っていた。
・その時、ベトナム人の仲間が病気で死んでおり、それを遺棄するよように現場の雇い主に言われたことにが逆上し、メタボとゲイツが雇い主を撲殺。ヒョロの骨を父親に返すべく、犯行を計画を練る。
・最期の予告は犯行グループ「シンブンシ」のメンバーが自殺することだった。
・ゲイツは他の三人の薬をすり替え、生かし、自分だけ死んだ。また、自分の指示で他の三人は動いていただけと印象付けるような動画も残していた。
感想
①兎に角、前半のテンポが良く退屈しない!
兎に角、前半のテンポが良く退屈しない作品でした。犯行の手口だけでなく、ワーキングプアの問題を盛り込んでおり、大変面白かったです。
②題名から考えたんだろうなぁと推察
一番インパクトがあったは映画の内容と言うよりも映画の題名だった思います。
ここでこの映画のストーリーを考えた過程を想像するに最初に題名を考えたのではないかと思います。そのあとで手口を考え、動機を考えたのではないかと思います。
何が言いたいかと言えばやはり、動機となった事件がやはり唐突に感じたのです。
やはり仲間を侮辱されたからって撲殺する必要はないと思うのです。
しかも、仲間といっても長年連れ添った仲間ではなく、昨日今日であった仲間です。
そして、撲殺したからといってあんな壮大な計画に乗り出すというのは必然性は無いとです。最初に手を下したメタボや生田斗真は殺人を犯している訳ですから、それなりにモチベーションを持てると思うのですが、巻き込まれた残りの二人はどんなテンションで犯行をしてたんだろうと心配してしまいます。
もっと言うと、死体遺棄をする旨指示されたことを警察に届け出ればそれなりの復讐は出来たのではないかと思います。
更に更に、一連の事件を起こす事とベトナム人の骨を父親に返すことはそんなに直結していないと思うのです。
③後付けで設定を考えたキャラクターに人生を語らせることは難しい
ネットのレビューなどを見ると戸田恵梨香さんの説教が兎に角薄っぺらかったという意見が目立ちました。
戸田さんは一連の事件を追っている刑事の役なのですが、凄く貧しい家に育ったのに頑張ってエリートの警官になったという犯行グループの連中とは正反対のとってつけたような設定があります。この設定はどう考えても、後付けで考えられたものです。
やはり、後付けで考えたような設定を根拠に人生を語らせても説得力は出ないのだなあと痛感しました。
④犯行のコンセプトが良く分からなかった
一連の犯行を見て思ったのが、世間の注目を集めたいという点では一貫しているとおもいます。
しかし、もう既に世間から叩かれている食中毒を起こした会社や、SNSで不用意な発言をした大学生やゴキブリの揚げ物を作った人をたたくのは、どういう思想なのかなって言う点が疑問として残りました。それって弱者がより叩き易い弱者を叩いてるだけじゃないですか?最後の方の政治家とかに喧嘩を売る感じは爽やかなのですが(^_^;)
そして、最初の放火は何気に重罪です。
採点
10個の項目ごとに〇は1点、△は0.5点、✕は0点で採点していき、最後に合計します。
①時代・場所・世界観に魅力があるか? ・・・〇
犯罪の手口やワーキングプアの問題が絡みかたが面白かったと思います。
②序盤からストリーの方向性は明確か? ・・・〇
犯行グループが捕まるか否かと、犯行グループの目的は何か?と言う視点で見ればいいのが明らかなので方向性は明確であると言えます。
③序盤において視聴者を引き付けるだけの危機感・謎があるか? ・・・〇
特に犯行グループの目的がミステリーになっていたと思います。
④ストーリーが巧みに二転三転してるか? ・・・✕
最初の視点である犯行グループの動機を明らかにするという点とグループが捕まるという点以上の発展は少なったと思います。
強いて言えば、ノビタがラーメン屋さんのお嬢さんに恋をしている点がストーリーの発展的ポイントとして挙げられるともいえるのですが、かなり付随的な事項なので、それをもって△はつけ辛いです。
⑤伏線は回収れているか? ・・・〇
犯行に使った道具を死んだ仲間から入手していたことなど伏線の回収は凄かったなと思います。
特に生田斗真の言いなりになって事件を起こしていたと印象付けるための動画がメタボの誕生日を祝っている様子だったことは凄くいいシーンだと思いました。
⑥結末に説得力はあるか? ・・・✕
感想のところでも書いた通り動機に説得力がないと思います。
そして、生田斗真だけが悪かったような結論を捜査機関はとっていますが、普通あの状況なら残り三人が生田斗真に罪を着せて殺したとみる方が自然ではないでしょうか?
⑦結末に意外性はあるか? ・・・△
一つ目の視点である犯行グループが捕まるかどうかの点について意外性があるか考えてみます。あれだけ悪い事をしたら主人公は死ぬしかありません。そして、仲間を巻き添えにするはやり過ぎなので何等かの形で仲間が生き延びるのは当然の帰結でした。この点に意外性はありません。
二つ目の視点である犯行グループの動機について考えてみます。犯行グループの回想が始まった時、人数が1人少なったので、ヒョロが死んだことは予想がつくと思います。しかし、作業場の雇い主を殺していることや、ヒョロの骨を父親に返すことが目的だったことは予想できるものではありません。
間をとって△にしたいと思います。
⑧個々のキャラクターやキャラクター同士の関係性に魅力があるか? ・・・△
犯行グループの設定などは大変魅力があったと思います。
しかし、戸田恵梨香刑事のとってつけたようなキャラ設定やお説教が寒いものでした。
⑨登場人物に心の成長はあるか? ・・・△
この映画の救いはヒョロがラーメン屋のお嬢さんに恋をして生きたいと思えるようになったことなのでしょうか?
⑩個人的にこの作品が好きか? ・・・△
前半のテンポの良さは好きです。後付け感が否めない設定が多いので△です。あと、あまり臓器売買の話を挟んでくるのはよほどの必要性がないとあまり好きではないです。
計6点
おわりに
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
大変面白い作品でした。原作の漫画も是非読んでみたいなと思いました。
今日はこの辺で(^-^)/